今から45年前。
当然、世の中事もよく分からない18歳。
日本晴れの気持ちの良い日でした。
ある道路の歩道に白い手袋をして立っていました。
今思えば、その日が大きな分岐点だったんですね。
それは三重県にある陸上自衛隊の駐屯地での事です。
なぜ歩道に立っていたのか。
それは、これから天皇陛下(昭和天皇)がいらっしゃるからです。
部隊から選ばれた数百人が制服姿で部隊前の県道両側に整列していました。
しばらして陛下を乗せた車列が近づいて来ます。
それも、とてもゆっくりと。
最初は感じなかったけれど、少しづつ胸は高鳴り、鼓動は早くなっていきました。
後部座の天皇陛下は左右の自衛官にゆっくりと手を振りながら、さらに近づいてきます。
いよいよ私の目の前に差し掛かった陛下。
少し微笑んでいるように見えました。
陛下と目が合ったように感じた瞬間、背筋に電気が走ったような、それでいて穏やかな気持ちになる、そんな感覚を身体が覚えています。
その後部隊に到着され、儀仗隊と音楽隊の演奏の中、帽子を片手に手を振る御姿は今でもはっきりと目に焼き付いています。
その日、部隊では天皇陛下の話しで持ちきりになり上官とも熱い話しになったのです。
月日は流れ。。。
14年後。
私は32歳。名古屋に住み、音楽と生活に疲れ苦しんでいた頃、天皇陛下は崩御されました。
その時、14年前感じた背筋の感覚を思い出しました。
その後も苦しみながら音楽を続け。
さらに11年の月日が流れていきました。。。。
つづく